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【野球とジャニーズ】超個人的な感想や回顧録、考察など。野球脳で見るジャニーズって面白い(興味深い)よ!!!

【佐藤新】くんを見て蘇った【上沢直之】投手の衝撃 ~育成で上がってきた隠し球~

 2014年6月号の『FIGHTERS MAGAZINE No.55』誌面にて、プロ入り3年目にして一軍デビューを果たした上沢直之投手のことを、記者は「まさに『ベールを脱いだ』とでも言うのだろうか」と表現した。その言葉を、入所4年目にしてジャニーズ事務所の配信ライブでセンターに立ちマイクを持った佐藤新くんにお借りしたい・・・と思うのは、私のエゴが強すぎるだろうか。

 

 

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 令和2年6月20日、自宅にある(そこそこでかい)50㌅のテレビで、私はジャニーズ事務所の配信ライブ『Johnny's World Happy LIVE with YOU』のジャニーズJr.回をリアタイしていた。 

 

 通称「クリエC組」のパフォーマンスを見ていた私は、センターの佐藤新くんを見て、とんでもない衝撃を受けた。 タッキー、こんな逸材を隠し持っていたなんて ・・・と。

 

 その衝撃を、私は過去に一度だけ野球で体感したことがある。

 あれは忘れもしない2014年の開幕直後、日本ハムファイターズ上沢直之投手が一軍の公式戦に初登板した日のことだった。

 更に遡ること2012年はリーグ優勝したというのに、2013年の日本ハムファイターズは弱かった。マリオシリーズクリボーか将棋の歩くらいの弱さで連敗し、メジャー行きを先延ばしにしてくれた彼の大谷翔平選手を獲得しておきながらリーグ最下位に終わった。正直、糸井選手をトレードで出しただけでこの弱さかよ・・・と、私だけでなく全ファイターズファンが絶望していた。

 そんな最中に、高卒入団3年目で二軍ファームから上がってきたばかりの21歳ドラフト6位投手に期待していたファンが一体どのくらいいただろうか? ゼロとは言わないけれど、決して多くはなかったはずだ。だけど、その試合で上沢投手は勝ち星を挙げてくれた。久々の勝利でファイターズファンは盛大に沸き、そのまま自身は「一軍デビューから3戦3勝」という記録を達成Wikipediaによると「日本人投手としては東映フライヤーズ時代の1962年尾崎行雄が達成して以来チーム52年振りのを記録」であるらしい。つまり、滅多にない快挙ということ)、シーズン終了後の同年11月には第1回U21野球ワールドカップの日本代表に選抜され(頑張っている姿を見てくれている人は必ずいる)、多くのファイターズファンの心を掴んだ。「こんな逸材を育てていたなんて!」と球団への愛と信頼を取り戻したファンも少なくなかったはずだ。もちろん、私もそのうちの一人である。

 その年、上沢投手はプロ入り3年目にして先発ローテーションに定着し、クライマックスシリーズまで戦い抜いてくれた。残念なことに上沢投手はクライマックスシリーズで敗戦投手となりチームは日本シリーズ進出を逃すのだが、高卒3年目の若い投手が体当たりで突き進まなくてはいけないほどチーム自体が弱かったのだから仕方ない。誰も上沢投手を責めることはできない。

 ちなみに上沢投手の高校時代の成績は、関東大会出場が絶頂であった。

 

 つまり!!!

 プロ野球ファンの間では周知の事実であるが、ファイターズのスカウトマンは先見の明があり、上沢投手の他にも内野手中島卓也選手やマルチプレイヤーの近藤健介選手らをドラフト下位指名で獲得している。近藤選手は名門である横浜高校の野球部出身なので語弊が生じてしまうが、高校時代に強豪校に所属していたような、いわゆる「甲子園を沸かせた注目選手」ではなくても「磨けば光る原石」をファイターズという球団はドラフト下位指名したりテスト生の中から拾い上げ、二軍ファームで大切に育成し、一軍でも通用する選手に磨き上げるのだ。(だから私はファイターズという球団が好き好き大好きすごく好き!!!夢がある!)

 

 野球が好きで少年野球チームの監督をしていたというジャニーさんは、きっと甲子園のヒーローに限らず育成選手が観衆を魅了するパターンもあることを知っていたに違いない。そして、そのスピリッツは確実にタッキーにも継承されているようだ。

 

 ジャニーさんが旅立ってから、どうしても変わりゆく事務所に不満を募らせていたジャニーズファンたちの心を、佐藤新くんを初めとする舞台で鍛え上げられた無所属のジャニーズJr.たち7人のパフォーマンスが魅了したと信じたい。少なくとも、私は衝撃を受けた。いつの日か、佐藤新くんは一つの時代を創るスターになるかもしれない・・・という期待までしてしまう。どうか、引き続き大切に慎重に育成を続けてほしい。

 そして、7人とも、焦らず、流されず、自分たちとタッキーや事務所を信じて、これまで通り個の技術を磨きながら人間力を高め、時が満ちるのを待ってほしい。これまで大成した多くの野球選手たちが、例えデッドボールという悲劇や故障に見舞われても腐らず治療し再び技術を磨き、己と監督と球団を信じてファンの期待に応えてくれたように・・・。

 

 

 今回の記事の最後に、上沢直之投手のその後について少し書き残しておきたい。

 6年前、前年度に最下位だったチームをクライマックスシリーズまで導いてくれた若い投手は、やはり無理をしていたのか、翌年度もマウンドに立ち続けたが右肘に痛みが生じ手術と治療を余儀なくされた。それから復帰するも昨年デッドボールを喰らい左膝を骨折・・・再び戦線離脱することとなった。

 しかし腐ることなく真面目に努力し続けていた上沢投手の姿は栗山監督やチームメイトたちの信頼を掴み、現在はチームの顔となっている。

 プロ入り9年目とはいえ上沢投手は現在26歳、まだまだ先がある!!! 背番号も「63」から「15」と若くなり、187㎝という恵まれた体躯と操る球種の多様さを武器に、近い将来チームの大黒柱となってくれるに違いない。

 

 

 

 佐藤新くん、懐かしい夢を見せてくれてありがとう!! 

 そして、未来にも夢を描かせてくれて、どうもありがとう!!

 本当に良い夢を見させてもらったなぁ・・・。

 

 佐藤新くんと上沢直之投手の今後に注目しつつ、微力ながら応援していきたいと思います!!!

  

 

佐藤新 プロフィール | ISLAND TV

 

上沢 直之(北海道日本ハムファイターズ) | 個人年度別成績 | NPB.jp 日本野球機構